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PagerDuty、新たなフィランソロピーパートナーとともに不公平を是正し、気候変動への対応に取り組む

投稿:2022年2月15日   |    更新:2022年9月13日

PagerDutyは2年前にPagerDuty.org Fundを立ち上げ、タイムクリティカルヘルスの分野で資金調達し、より早く人々に届けることで命を救う手助けをするという使命を担いました。それ以来、世界はCOVID-19のパンデミックによる広範囲な影響と、人種的不公平に対する報いを受けました。このパンデミックの長期的な遺恨は、公衆衛生システムにおける構造的な不公平をさらに悪化させることです。これを受けて、PagerDutyは2021年、世界中の最も疎外されたコミュニティーへのワクチン配布に注力する団体のために100万ドルの資金、製品、技術サポートを調達しました。

私たちの世界、私たちが目指すもの

制度的差別と闘うために、私たちは健康格差に取り組む活動を、構造的人種差別の影響を受ける別の分野、すなわち気候変動と環境汚染の影響にも広げています。異常気象が私たちの日常生活や幸福に影響を及ぼすようになり、気候変動が私たちのコミュニティーの健康にもたらす害が明らかになってきました。これらの変化は私たち全員に影響を与えますが、最も被害を受けるのは、最も貧しい人々なのです。特に、パンデミックへの対応で見られた健康上の不公平は、人種、階級、性別による不平等が根強く、多くのグループが環境災害や気候変動の影響に対してより脆弱であることを映し出すものであります。有色人種、低所得者層、先住民族が、水質汚染や大気汚染、有害物質による被害を不当に受けていることを示す研究は増え続けています。レッドライン(訳注:経済面での人種差別)は50年以上前に禁止されましたが、その影響は今日も有色人種社会を苦しめています。歴史的にレッドラインのある地域は、レッドラインのない地域よりも気温が高く、木や緑地が少ないのです。さらに、これらの人々は、気候変動から最も深刻な被害を受ける可能性が高く、熱波、洪水、山火事、その他の異常気象の影響に備え、再起する能力が最も低いのです。

この不公平の中心にある根本的な原因である有色人種コミュニティーへの投資不足に取り組むためには、全ての人々、特に汚染と気候変動の影響を不当に、そして制度的に受けている人々の有意義な関与を中心とした環境正義のビジョンに焦点を当てる必要があります。この限られた機会に、私たちはより公平な未来を再構築しなければなりません。私たちは、環境危機の影響にレッドラインを引かない、社会的に公正なアプローチを必要としているのです。最も疎外された人々が環境災害や気候変動の影響、さらには新たな健康上の脅威から確実に保護されるようにするには、協力的かつ体系的なアプローチが必要です。

気候変動に関するフィランソロピーの分野を調査したところ、別の不公平があることが分かりました。気候変動に焦点を当てた資金提供者からの資金のうち、環境正義に取り組むBIPOC(訳注:黒人・先住民・有色人種)主導の団体に向けられたのはわずか1.3%でした。この不均衡から、Donors of Color NetworkはClimate Funders Justice Pledgeを作成し、全米最大の気候変動資金提供者に、より透明性を高め、気候変動資金の少なくとも30%をBIPOC主導の第一線のグループに展開することを公的に約束するよう求めました。

未来の世界的指導者への投資

公平性を高めるという目標のもと、私たちは全ての資金提供の取り組みにおいて、多様な指導者や有色人種のコミュニティーに力を与える組織への支援を意図的に行ってきました。PagerDuty.orgは、女性やBIPOCの指導者がいる組織への投資の歴史を踏まえ、環境と気候の正義に向けて活動する4つの組織に、合計25万ドルの無制限資金を投入します。これらの組織は全てBIPOCのエグゼクティブディレクターが率い、国内、地域、および国際的なコミュニティー主導の運動の一部を担っています。より公正な未来を擁護するためにオープンソーステクノロジーを使用している組織もあります。これらのパートナーは以下の通りです。

Earth Guardiansは世界中の環境、気候、社会正義の運動において力を発揮する指導者となるべく青少年を育成し、力を与えています。6大陸で数千人の若者が活動しており、Earth Guardiansは彼らの声とコミュニティーへの影響を増幅させるためのプラットフォーム、リソース、そしてつながりを持つ機会を提供しています。音楽、アート、文化を通じて、あるいは気候変動ストライキや集会を組織して、Earth Guardiansのユースリーダーは再生可能な未来を想像するよう、他の人々を鼓舞しているのです。

「組織は転換期を迎えました。1992年の設立以来、40歳以下のBIPOC女性が先導を務めるのは初めてのことです。PagerDuty.orgはEarth Guardianの転換期と活動を公的に支援してくださり、感謝しています。この寄付により、私たちはアート、ストーリーテリング、組織化、法的措置を使って力強い変化を生み出すために、若者のエンパワーメントを直接支援することができ、同時に私たちがグローバルコミュニティーとして直面している重要な問題に対するインパクトのある解決策を鼓舞していきます。」

-Catherine Mongella, Executive Director, Earth Guardians

Earth Hackのインクルージョンについてのビジョンは、世代間や多国間のつながりが生まれ、学生たちが環境活動の一形態としてハッカソンに参加するグローバルコミュニティーです。これまでのハッカソンでは、都市部のヒートアイランドなど不公平な問題の解決に取り組んできました。歴史的な差別的慣習であるレッドラインに起因する有色人種のコミュニティーに不釣り合いな影響を与える問題です。ハッカソンのイノベーション能力を活用し、オープンソースプロジェクトライブラリーは、何千人もの大学生が批判的思考に取り組み、潜在的な解決策を得るための出発点として役立っているのです。

「Earth Hacksは、PagerDuty.org Fundの寛大なご支援により、ハッカソンを環境活動の一形態として活用する私たちの活動を支援できることに感謝しています。この助成金により、例年よりも多くの学生を支援し、小さくても意味のある環境ソリューションの組み合わせを推進し、環境技術分野における正義に焦点を当てた文化の変化を促進し続けることができます。」

-Sanjana Paul, Co-Founder and Executive Director, Earth Hacks

OpenAQは、個人とコミュニティーをオープンデータでつなぎ、科学を発展させ、政策に影響を与え、大気汚染と戦う力を人々に与えることを使命とする非営利団体です。OpenAQ Platformは、世界最大のオープンソース大気質データプラットフォームであり、世界135カ国からの160億のデータポイントを集約・調和し、毎月1500万件のデータリクエストに対応しています。OpenAQ Platformは、よりきれいな空気のための世界的、地域的、ローカルなアクションを支える基盤として機能しています。また、多様なステークホルダーを集め、よりクリーンな空気のための公平なソリューションを触媒として、データ設計と行動計画を共同で開発しています。

「OpenAQは、PageDuty.orgの助成金を受けられることに感激しています。このパートナーシップによる支援は、きれいな空気を実現するためにデータへのアクセスがもはや障害とならない世界というOpenAQのビジョンをよりよく実現するために役立ちます。私たちは、大気質の低下に最も影響を受ける人々が大気質のデータにアクセスしやすくし、よりきれいな空気のための解決策をともに検討しようとオープンデータの力を利用する大気質の支持者を団結させることができるでしょう。」

– Chisato Fukuda Calvert, Interim Director, OpenAQ

The Solutions Project(TSP)は、全米の黒人、先住民、移民、女性、有色人種が主導する組織が生み出した気候正義の解決策に資金を提供し増幅する公的財団です。2021年、TSPは127の草の根団体に1000万ドルを助成し、助成対象に100万ドルのコミュニケーション能力開発を提供しました。これにより、石油生産の段階的廃止からパイプラインの阻止、風力タービンや電気自動車製造の開発、コミュニティーの太陽光発電や水システムの構築まで、目覚ましい成果を生み出しました。

「この運動は、多数の問題に同時に取り組む気候正義の解決策を現場で作り出している草の根組織とさらに協力するよう、フィランソロピーに求めているのです。TSPは、誰もが手頃な価格の住宅、環境に優しい良い仕事、資源への公平なアクセスを持つ世界を思い描いています。私たちがここに到達する唯一の方法は、最前線のコミュニティーと連帯して動くことです。PagerDutyのような業界のリーダーが、気候正義へのこの道を認識してくれることをうれしく思います。」

-Gloria Walton, CEO of The Solutions Project

COVID-19の大流行がもたらしたポジティブな結果のひとつは、資金提供パートナーに資金提供のスピードと柔軟性を高めるよう促したことです。PagerDuty.orgはこの点で確立された前例に倣い、私たちの助成金を使途不指定の資金として構成し、これらの組織が適切と考えるようにそのミッションを推進できるようにしています。また、PagerDutyの従業員、具体的には従業員リソースグループのリーダー、ソーシャルインパクトアンバサダーカウンシル、そして最も熱心な環境保護活動家たちが、私たちの選考プロセスに意見を述べ、私たちの決定に役立つ多くの多様な視点を提供してくれたことに感謝しています。

支援・奨励

パートナーの1団体であるEarth Guardiansが示しているように、若者主導の気候変動運動は、フィランソロピーにこの緊急事態に対応するよう働きかけています。パートナーから得た洞察と学習は、制度的差別に対処するアプローチを進化させるために、私たちの戦略に反映され続けます。私たちは、これらの優れた団体を支援できることを光栄に思うとともに、全ての人間と地球の健康を守るためのこの取り組みに参加される仲間が増えることを願っています。


この記事はPagerDuty社のウェブサイトで公開されているものをDigital Stacksが日本語に訳したものです。無断複製を禁じます。原文はこちらです。

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